きれぎれの風彩(ふうさい)

庭木や植物、自然やエコを中心に…関心のあること、気になったことを綴っています。

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正法寺の大イチョウ〔巨樹〕

埼玉県東松山市の物見山周辺を散歩した時に、通称「岩殿観音」、山号「巌殿山」、坂東三十三観音の十番札所、寺号「正法寺(しょうぼうじ)」に行きました。ここには大きなイチョウがあります。7年ぶり2回目の対面です。〈散歩日:6月4日〉

イチョウ(公孫樹)はイチョウ科イチョウ属の裸子植物、中国原産の落葉高木です。

正法寺の大イチョウ(市指定天然記念物:埼玉県東松山市)
 ・幹周 約11メートル (11.1m/株立ちで主幹の幹周2.85m)
 ・樹高 約25メートル (20m)
 ・樹齢 700年を超えると推定
 江戸時代の天保年間に書かれた正法寺縁起の絵図にも描かれている

 ※出典:市の公式Webより。( )内は環境省の巨樹データによる

1.イチョウは高さも大きくなり、枝も拡がります。さらに、株立ちのせいか枝葉が密に見えます。画の右側には岩殿観音があります。岩殿観音は別ブログ参照
きれぎれの風彩 「イチョウ」4-1


2~5.大イチョウを4方向から記録。岩殿観音は岩山を切り崩したような場所にあり、そのせいか大イチョウは根上がりで株立ちになっています。画は正面側(谷側)から左回りです。後左側(4)は根が岩に載っている様子が見られます
6.株立ちは太い木から細い木まで様々でたくさんあります
「2」「3」「4」「5」「6」
「正法寺の大イチョウ」


7.後側の崖際から撮りました。全体が入りません。株元右下の青色は、イチョウをスケッチしている方のTシャツです
きれぎれの風彩 「イチョウ」4-7


初めて見た時には、目の前に飛び込んでくる“根”に驚きました。太さ大小の根が多数絡みあっているのです。そして、全体の太さにも。スゴイな~と感じる巨樹です。

ところで、環境省の巨樹の測り方には決まりがあり、斜面の場合、株立ちの場合、根上がりの場合とそれぞれ測り方があります。大イチョウは全てに該当しますので、平地の一本立ちと比べると、公表されている幹周のサイズ感が異なるかもしれません。
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| 常緑高木 | 23:17 | comments:11 | trackbacks:0 | TOP↑

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クスノキ ~上谷の大クス 2016.05

越生町の「五大尊つつじ公園」散歩の後、同町の上谷(かみやつ)にあるクスノキの巨樹を見に行きました。5年前(2011年2月)初めて見た時に、その巨大さに目を見張り、驚嘆したものです。〈散歩日:4月30日〉

クスノキ(樟、楠)は、クスノキ科ニッケイ属の常緑高木で、主に東海以西の太平洋側、四国、九州に分布します。Wikiによると九州の生息割合は8割になるそうです。
またしばしば大きく成長し、例えば幹周による巨樹ランキングのベスト20のうち一番多いのはクスノキです。神社などで神木として崇められている巨樹も多いようです。

上谷の大クスは、近くまで車で来れます。駐車場から坂道を上がっていくと、(5年前には無かった)広場のような所があり、斜面の上にある大クスを眺められるようになっていました。
近年、大クスの保護のために、近くの木々が伐採され、併せて周辺の整備も行ったようです。ウッドデッキも新しくなっていました。

1.南側斜面下にある広場から。この位置から眺めるのは初めてのことになります
2.入口に近い西側から。手前に説明板があります
3.さらに近付いた光景です。(迫力が伝わらないかもしれませんが・・・)
4.デッキの一番奥、東側から。分かれた枝々が巨樹に値する大きさです
5.上に伸びている枝を下から見上げました。高さもあります
「1」「2」「3」「4」「5」
「ウグイスカグラ ~淡紅色の春の花木(1)」


以前のウッドデッキは、樹の周りを囲んで一周できましたが、新しいデッキは南側のみです。5年前の様子はコチラ。(今となっては見ることのできない光景も)

6.裏山に続く山道の途中(北西側)から。どこから見ても全体は入りません
7.再び南側斜面下。西側に伸びる枝の様子です。どこを見ても立派です
8.駐車場からの眺めですが、画の下に民家があるのでズームで
9.説明板です。幹回り15メートル、高さ30メートル、樹齢千年以上
「6」「7」「8」「9」
「ウグイスカグラ ~淡紅色の春の花木(2)」


説明板にもありますが、暖地を好む樹種のため、関東の山間部(しかも斜面)でここまで大きく生長したのは奇跡的で、関東以北では最大のクスノキになります。
次代にも残ってほしい巨樹です。また、機会を設けて訪れようと思います。

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その後、巨樹巡りをすべく、隣のときがわ町に移動しました。カヤとスギの巨樹で、いずれも過去に2~3度は訪れたところです。

1~3.西平の大カヤ:山中にあり、その周囲の環境と大カヤの佇まいから、荘厳な雰囲気があります。個人的に好きな樹です。参照:2011年8月の大カヤ
4~5.児持杉:男杉と女杉を祈念する時は子宝に恵まれるという伝説が由来。上部の方はかなり枝が落ちているようであう。参照:2011年8月の児持杉
「1」「2」「3」「4」「5」
「ウグイスカグラ ~淡紅色の春の花木(1)」

ときがわ町は“巨木の里”と言われ、他にも巨樹があります。特に、今回行かなかった『姥樫』は印象深いので、次回巨樹巡りをする時には行きたいと思います。

この日、大クスや大カヤの近くで、初めて見る植物を確認しましたので、次回より順に取り上げたいと思います。

| 常緑高木 | 15:04 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

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クロガネモチ ~多数&綺麗な初冬の果実

桶川で巨樹を見た後は、伊奈町記念公園に立ち寄りました。3年近く前の1月に、同所で赤い実のたくさんついたクロガネモチを見て驚きましたが、この日はさらに多数の果実がありました。〈散歩日:12月12日〉

クロガネモチ(黒鉄黐)は、モチノキ科モチノキ属の常緑高木で、関東以西の本州・四国・九州に分布します。雌雄異株で公園や庭木に用いられます。花は5月~6月にかけて淡い紫色の花を咲かせ、秋に径6ミリほどの赤い果実をつけます。

1.この公園の広場には、10本近くのクロガネモチがあります。といっても見えているのは雌株だけですが・・・
2.木の枝々に(まんべんなく)実が付いています
3~5.調べていると「多数の真っ赤な実を付けた秋の姿は非常に美しく、冬までその姿を楽しむことができます。」との記載がありました。キレイな果実です
「1」「2」「3」「4」「5」
「クロガネモチ ~多数&綺麗な初冬の果実」


2013年1月12日に見た時の日記を読み返すと、「野鳥についばまれたのか、果実が無いのもあり…」と書いていますので、柄だけが残っているのも多かったと思いますが、今回はほぼ満付き(?)状態です。良いタイミングでした。

クロガネモチは、しばしば庭木として用いられ、比較的都市環境にも耐えることから、公園樹や街路樹として植えられるそうです。また、「クロガネモチ」が「金持ち」に通じることから縁起木として好まれる地域もあるようです。


オマケ≫ 同公園の様子です。
6~7.湿地周辺は、誰もこないのでとても静か。木は主にハンノキだと思います
8.様々な樹種の混じった雑木林は、まだ紅葉が残っていました
9.ナンキンハゼは高い位置にあり、残念(画はズームで)
10.バラ園では2~3人の方がメンテナンスをしていました(画は気になった名前)
「6」「7」「8」「9」「10」
「初冬の伊奈町公園」

| 常緑高木 | 23:45 | comments:10 | trackbacks:0 | TOP↑

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スダジイ ~多気比売神社の大シイ〔巨樹〕

桶川市にある水上太陽光発電所(所用ついでに立寄り)を眺め、東側の赤堀川沿いの方に行くと周辺の案内が記された説明板がありました。そこに推定樹齢約600年という大シイが神社の境内にあるとの記載があり早速移動しました。〈散歩日:12月12日〉

シイやシイノキは、スダジイとツブラジイを併せた呼称です。関東以北の場合、シイといえばスダジイを指すのが一般的のようです。ここの神社でも一部の木にスダジイの名札がついていました。スダジイはブナ科シイ属の常緑広葉樹です。

多気比売神社(「たきひめ神社」という)は、平安時代の書物である「延喜式」にも名前が残る桶川市で最も古い神社とのことです。その鳥居の脇にそびえる大シイは、

多気比売神社の大シイ(市指定天然記念物:埼玉県桶川市)
 ・根まわり 6.7メートル 〈 ※幹周4.8m 主幹2.4m 文末参照 〉
 ・樹 高 13メートル
 ・枝張り 南北17メートル×東西14メートル
 ・樹 齢 約600年
 鎮守の森の象徴ともいえるこの大シイは、境内の他の樹木とともに、地区の人々の信仰と親愛の情によって、大切に守られてきました。
(案内板より)

1.川沿いに上っていくと、右手に丸い円盤状の緑の物体(こんもりした木々)が
2.多気比売神社です。枝葉のボリュームで境内も社殿も見えません
3.大シイ(スダジイ)の辺りです。他にもスダジイがあり樹冠は区別できません
4.3の右側から見た大シイです。根元から2枝に分かれています(2株立ち)
5.たくさんの細い枝が伸びています
「1」「2」「3」「4」「5」
「スダジイ ~多気比売神社の大シイ(1)」


6.鳥居をくぐると右に手水舎。参道は社殿までまっすぐのびています
7.手水舎の隣のスダジイには注連縄がまわされています。ご神木でしょうか
8.右斜め後ろを振り返ります、この位置だと手水舎の後が大シイ
9.社殿の左奥にも大きなスダジイがありました
10.注連縄のシイの脇には数株のマンリョウが赤い実を付けていました
「6」「7」「8」「9」「10」
「スダジイ ~多気比売神社の大シイ(2)」


調べてみると、スダジイは枝先が丸まるような形状になり、全体で丸く盛り上がったドーム状の樹冠(まるでブロッコリが集まったよう)になるとの記載がありました。

多気比売神社の鎮守の森(社叢)は、数本のスダジイによってなりたっていました。(このとこ自体に少し驚嘆)また、それにより遠くから見ると神社の境内を樹木がドーム状に覆っているように見えたわけです。

これまで鎮守の森の樹種についてそれほど気にしたことがなかったのですが、ほぼ一種類での社叢は初めてかもしれません。鎮守の森、面白いです。


※巨樹<株立ちの場合>
環境省の巨樹の定義は「地上から130cmの位置で幹周(幹の円周)が300cm以上の樹木」としています。
多気比売神社の大シイは株立ちになっていますが、このように130cmの高さで、幹が複数に分かれている場合は、次の条件になります。
・一番太い幹(主幹)の幹周が2m以上ある。
・それぞれの幹周の合計が3m以上ある。このとき幹周は複数の幹の合計となる


巨樹巨木林調査データベースには、多気比売神社の大シイも記載されており「幹周480cm 主幹240cm」となっていました。立派な巨樹です。

| 常緑高木 | 23:39 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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シキミ ~淡黄白色の花は仏事に

前回のお寺のハクモクレンの花を眺めた後、それ以外の花木を見てみようと思った時、ハクモクレンの隣の木にも花がついていることに気が付きました。初めて見る花で、後で調べてみると「シキミ」でした。〈散歩日:3月22日〉

シキミ(樒)はシキミ科(←モクレン科)シキミ属の常緑高木で、樹高5メートルほどになります。宮城県以南の比較的暖かい地域の山地に分布します(他、台湾や中国)。墓前や仏前に供える花として昔から墓地や寺院などに植えられ、最近は公園木や庭木にも用いられているようです。

1.ハクモクレンと並んで植わっていました。ただ、隣のハクモクレンの花が見事でしたので、この時季は(ご存知の方はともかく)シキミに目が行き難い・・・
きれぎれの風彩 「シキミ」1-1


2.この木は高さ3メートル超(?)。よく見るとたくさんの花がついていました
3~5.葉腋に径3センチほどの淡黄白色(クリーム色)の花を咲かせます。花弁は広線形で十数枚、花の中心に雌しべ8本とその周りに多数の雄しべがあります。
6.葉は互生で、葉身は長楕円形、厚くて光沢もあり、縁は全縁
「2」「3」「4」「5」「6」
「シキミ ~淡黄白色の花は仏事に」


シキミの花色は晴天の下では若い葉の色かと思われ、離れた所から見るとそれほど目立たないと思いました。

実家のある新潟の方ではシキミがなかったので、馴染みもないのですが・・・。調べてみると「仏教はシキミ(樒)、神道はサカキ(榊)」と言われ、シキミの樹皮や葉は乾燥させて粉にして抹香として用いられ、枝葉は仏壇に添えられたり、葉が末期の水をとるのに用いられたりと、仏事と関連の深い樹木のようです。日本に初めてシキミを持ってきたのは、鑑真和尚だったという記載も・・・。

仏前に供えるようになった理由としては、
・仏様の世界で咲く花「青蓮華(しょうれんげ)」に似ているから
・山の中や、寒い時季にはきれいな花がなかなか手に入らなかったから
・その香りを仏様に供えたかったから(また獣はその匂いを嫌ったから)
・シキミをさしておくと水が腐りにくくなるから

等が考えられ、そこから仏さまの木になり、仏花として用いられるようになったのでしょうということです。(真言宗のお寺のWeb参照)

シキミの名前は、有毒からの「悪しき実」、実の形から「敷き実」、匂いから「臭き実」などと呼ばれたことから転じたという説があります。シキビ、コウノキ、ハナノキ、仏前草などの別名もあります。


ところで、シキミは有毒植物で特に果実に毒が多く、Wikiでは「食べれば死亡する可能性がある程度に有毒である」と微妙な言い回しで書かれており、さらに「植物としては唯一、毒物及び劇物取締法により劇物に指定されている」そうです。

| 常緑高木 | 18:44 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑

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