きれぎれの風彩(ふうさい)

庭木や植物、自然やエコを中心に…関心のあること、気になったことを綴っています。

| PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

ゴウソ ~短く太い雌小穂

前回同様、北本自然観察公園の湿地の木道沿いです。短くて太い棒状の小穂をつけたスゲの仲間がありました。〈散歩日:5月27日〉

ゴウソ (郷麻) は、カヤツリグサ科スゲ属の多年草で、日本全地域に分布し湿地や水田、水路、ため池周辺などに自生します。
〔Webでの情報〕
・草丈は30~50センチ(有花茎)になる中型のスゲ
・花茎は立ち上がり、先端はやや傾く。先端近くに小穂がつく
 頂小穂は雄性で細長い棒状、側小穂は雌性で円柱形。長い柄があって下垂する
 頂小穂は長さ2~4センチ、側小穂は長さ1.5~3.5センチ
・果胞は長さ4~5ミリ。鱗片は褐色を帯び、緑色の芒がある

1. 様々な植物に混じって、細い花茎のわりに大きな穂が垂れていました。
 (この画では、さすがに分かり難い)
きれぎれの風彩 「ゴウソ」1-1


2. Webで画をみましたが、ここの花茎に比べてもう少し立ち上がっています。
きれぎれの風彩 「ゴウソ」1-2


3. 名前の由来はよく分かってないそうです。細い花茎に大きな穂が付いている様子を魚釣りにたとえ、別名はタイツリスゲ。小穂が分かり易いスゲです。
きれぎれの風彩 「ゴウソ」1-3


4. 先端の茶褐色の穂が雄小穂で、下につく3個が雌小穂です(スゲ属の多くにみられる特徴)。果実が熟すと果胞が大きく膨らみ、提灯のような外観になるとか。
きれぎれの風彩 「ゴウソ」1-4


ゴウソも、前回のアゼナルコも、調べて同定し日記に取り上げるのは初めてです。
湿地にはえるスゲ類で、苞に鞘がなく小穂がたれるのは、ほぼこの仲間で、普通種としては他にヒメゴウソなどがあり、アゼスゲやテキリスゲと共にアゼスゲ節に分類されるそうです。


〈おまけの不明〉
ゴウソではなく、その手前に種類の異なるスゲがあります。調べてみたところ、マスクサとかヤブスゲが近いと思いますがハッキリしません。またの機会に。
きれぎれの風彩 「ゴウソ」1-5


スポンサーサイト

| 草本(草花・野草) | 22:30 | comments:10 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

アゼナルコ ~頂小穂のみ雌雄性

北本自然観察公園の湿地の木道沿いでは、カヤツリグサ?スゲ?の仲間と思われる草本が伸びていました。非常に種類が多いとされていますので、スルーすることが多いのですが、今回は目に留まるものがありました。〈散歩日:5月27日〉

アゼナルコ(畦鳴子、畔鳴子)は、カヤツリグサ科スゲ属の多年草で、本州~九州(沖縄)に分布し、湿地に自生します。水田付近では圃場整備などにより数を減らしているものの、様々な湿地的環境で見られるそうです。
〔Webでの情報〕
・草丈は40~80センチ(有花茎)になる大型のスゲ
・葉はよく立ち上がり、細長く幅は4~10ミリ
・花茎の先端近くに 数個の小穂が間をおいてつき垂れ下がる。小穂は円柱形で長さ3~6センチで細い柄がつく。頂小穂は雌雄性、他の側小穂は雌性(雌花)
・それぞれの小穂の基部には、長い葉状の苞がある、最下のものは花序より長い

1. 様々な植物に混じって、細長い穂が垂れていました。
きれぎれの風彩 「アゼナルコ」1-1


2. いくつかの穂のうち、先端の穂だけ形が異なります。先の方は他の穂と一緒ですが、基の方は細くなっています。〔頂小穂は雌雄性で、先が雌花、基部が雄花
きれぎれの風彩 「アゼナルコ」1-2

小穂は、軸の回りに花と鱗片が螺旋状に配列したもの。スゲ属の花茎には普通は複数の小穂がつくので、その先端のものを頂小穂(ちょうしょうすい)、それより下から横に出るものを側小穂(そくしょうすい)という。
スゲ属の多くは、先端に一個の雄小穂とその下方に数個の雌小穂がつくが、本種は頂小穂に雌雄両方の花がつく雌雄性が特徴(基部が雌花の場合は雄雌性と呼ぶ)。


3. 雌小穂には多数の果包がつき、芒が棘のように出ています。画では分かりにくいのですが、果包の先からは雌しべがでているのもあります。
きれぎれの風彩 「アゼナルコ」1-3

雌花は、雌しべが果包(かほう)という袋に包まれているのが特徴で、その外側に一枚の鱗片がある。鱗片は果包に比べて幅が狭く短いが、長い芒がつく。果胞は3ミリほどの広卵形で扁平。雌しべはその底に着き、果胞の口から柱頭だけを伸ばす。

4. 見ている時は“葉腋から花柄が出ている”のかと思いましたが、花柄の基部から葉のように見えるのは苞でした。下に行くほど大きいです。
きれぎれの風彩 「アゼナルコ」1-4

少し調べてみると、やはりスゲ属はいろんな特徴がありますので(難しいので)、備忘のため説明も並記しておきます。
和名は、垂れ下がる小穂を鳥を追う鳴子に見立て、畦に生えることによります。


---+---+----+-----+-----+-----+----+---+---


ところで、20日に続いて27日も北本自然観察公園に行ったのは、植物を見ることはもちろんですが、ハートマークを見てみたかったことも理由の一つです。
別ブログに取り上げました。但し、虫が苦手な方はご遠慮ください。
きれぎれの風彩 「ハートマーク」

また、この日は宙に浮かんだような水玉も見られました。
きれぎれの風彩 「浮いてる水滴」

| 草本(草花・野草) | 15:36 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

スイレン ~浮かぶ花と円い葉

城山公園(桶川市)の大池にはスイレンが咲いていました。夏の池ではよく見かけますが、今回花が近く面白いシベの様子が見えました。〈散歩日:5月20日〉

スイレン(睡蓮)は、スイレン科スイレン属の水生植物の総称として用いられており、世界的にみると温帯睡蓮と熱帯睡蓮に大別できます。日本の池で見られるのは、もちろん温帯睡蓮で、自生しているのはヒツジグサ(未草)の1種類です。

地下茎から茎を伸ばし、水面に葉と花を浮かべます。葉は葉柄部分に切れ込みが入ります。花は昼咲き性で、日が高くなるころには閉じます。名前は眠る(睡る)蓮の意味でつけられたそうです。花期は5月中旬~10月。

1. 葉が重なりながら周囲に拡がり、所々に白い花が咲いていました。これまで初夏~夏にスイレンの花を見ていた記憶がありましたので、時季外れの狂い咲き?かとも思いましたが、花期の最初の時期のようです。
きれぎれの風彩 「スイレン」1-1

日本のヒツジグサは、花の大きさが3~4センチと比較的小さな花をつけるそうです。従って、この池に咲いていたのは外来種・園芸種です。

2. 円い葉に切れ込みが入り、花は水面に浮くように咲いています。
きれぎれの風彩 「スイレン」1-2


3. 花被片が中心から外側にかけて大きくなります。雄シベは先端がクルッと曲がっていて、一番外側のシベは花弁のように幅広になっています。
きれぎれの風彩 「スイレン」1-3


この花の品種名は分かりませんが、他の池でもよく見るタイプの花だと思います。調べた中では「温帯睡蓮の花色は赤、黄、ピンク、白などで、青や紫系の色はない」という記載がありました。

| 草本(草花・野草) | 21:43 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

コアカミゴケ ~赤い子器持つ地衣類

GW帰省時のこと。前回のフジを見た後、いつもの山散歩コースにも行ってみることにしました。道の駅から吊り橋を渡って山に上る遊歩道です。その吊り橋の上から川岸のクルミを見下ろしている時に、ふと足元に赤い点々があることに気づきました。しゃがんで見てみますが、この類は気にしたことがなく・・・。〈散歩日:5月4日〉

コアカミゴケは、ハナゴケ科ハナゴケ属で地衣植物の一種です。地衣体の上にできる小さな皿状の器官は、子器とよばれる生殖器官で、中に菌類の胞子がつくられます。子器は種類によって形や色が異なり、コアカミゴケは赤い部分がそれにあたります。(注:ひょっとしたら同属の別種かもしれません)

日本地衣学会のWebによると、「赤い子器を付けた本種は、小さい割には比較的人目につきやすい。本種は日本では低地から山地にかけて広く分布し、地上・朽木・針葉樹の樹幹上に生育する」そうです。

1-2. 吊り橋の上の端の方で見つけました。よく見る植物とは違いますし、よく見るコケとも違います。いつもなら目にとめることもないのですが、赤なので・・・。
きれぎれの風彩 「コアカミゴケ」1-1

きれぎれの風彩 「コアカミゴケ」1-2


3. 撮りにくいな~と思っていたところ、娘婿が自分の掌に一つまみ分を載せたので、これ幸いとカメラを向けました。(娘婿と2人で散歩です
きれぎれの風彩 「コアカミゴケ」1-3


4. 吊り橋の上で、さらに掌の上でしたが、奇跡的にピントが合っていたので、トリミングでアップです。見れば見るほど不思議な生き物です。
きれぎれの風彩 「コアカミゴケ」1-4


地衣類というのが、よく分からないのですが、前述の日本地衣学会のWebによると~地衣類は、菌類と藻類(主に緑藻やシアノバクテリア)が共生関係を結んでできた複合体で、系統的に一つのまとまりを成す分類群ではなく、複数の系統から生じた、藻類との共生という特徴を共有する(「地衣化」する)菌類の総称。

一方、地衣類は、一般には蘚苔(センタイ)類(コケ植物)などとともに「こけ」と認識されていることが多い。「こけ」は雑多な小さな生物群の総称であり専門用語ではないので、地衣類のことを「こけ」と呼んでも間違いではない。しかし、コケ植物(あるいはコケ類)というと間違い。
~とのことです。

5. 参考にと吊り橋の画を探したところ、2011年8月に撮ったものがありました。コアカミゴケを見つけたのは吊り橋の右側の方です。
きれぎれの風彩 「コアカミゴケ」1-5


ちなみに、この年は7月に「新潟・福島豪雨」があり、大きな洪水被害をもたらしました。水位が上がった位置は草が倒され線を引いたように分かります。

| 草本(草花・野草) | 23:17 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

ユキモチソウ ~雪のように白い付属体

森林公園の都市緑化植物園。植物園の管理棟と展示棟の間の木陰で、ユキモチソウが咲いていました。独特の花姿を初めて見ます。〈散歩日:4月29日 森林公園〉

ユキモチソウ(雪餅草)はサトイモ科テンナンショウ属の多年草で、分布域は(世界的にも?)近畿地方の一部と四国に限られます。しかも日本レッドデータで絶滅危惧Ⅱ類(VU)です。ただ、古くからその特異な花姿から、各地で鑑賞用に植栽され、植物園などでもしばしば見られるそうです。

〔Webの情報〕
・花期は4~5月。草丈は20~30センチほど
茎(偽茎)から複葉を2枚出し、中央に1個の花茎(肉穂花序)を出す
・茎葉は長い柄がある。小葉は楕円形で先がすぼみ、3~5枚を鳥足状につける
・仏炎苞の外側は紫褐色で舷部は白い縦の筋が入り、内側は白色。真ん中に白い棍棒のような形で先が丸くふくれた付属体がある

1. 初めて実物を見ます。この花姿には驚きと嬉しさと面白さがまとめてきました
きれぎれの風彩 「ユキモチソウ」1-1

カラーやミズバショウなどサトイモ科の多くの花の特徴は、肉穂花序と仏炎苞です。テンナンショウ属は仏炎苞の形と紫系の色から、初めて見ると不気味な感じを受けるものもありますが、今回のユキモチソウはちょっと違います。

2. 葉は左右に1枚ずつ複葉がでて、ここでは見た限り小葉は3枚でした
3. 仏炎苞は筒部と舷部(げんぶ)で構成されています
  他の仲間は舷部が前に垂れますが、これは上を向いています
4. 仏炎苞の口辺部から内側は白色で、付属体も白色なので目をひきます
5. 仏炎苞の舷部には白い筋があり、先が三角状に長く伸びています
6. ここでは十数株が咲いていました
「2」「3」「4」「5」「6」
「ユキモチソウ ~雪のように白い付属体」


葉には白い斑の入る場合もあるそうです。鋸歯は有るものと無いものがあるとか。また、仲間のマムシグサなどと同じで雌雄異株ですが、栄養状態によって雄株が雌株に性転換する特徴もあります。

和名は見た目通り、花(仏炎苞)の中央にある付属体が、雪のように白い餅に見えることによります。ただ、○○テンナンショウやマムシグサ、ムサシアブミ、ユキモチソウなど、名前だけでは同じ仲間とは思えません。

-----・-----・-----・-----・-----・-----・-----

参考に野草コースで見たマムシグサです。
きれぎれの風彩 マムシグサ


| 草本(草花・野草) | 16:59 | comments:10 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT | NEXT