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きれぎれの風彩(ふうさい)

庭木や植物、自然やエコを中心に…関心のあること、気になったことを綴っています。

2012年11月 | ARCHIVE-SELECT | 2013年01月

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アキニレ ~翼果(楡銭)と黄葉

9月の下旬に初めてアキニレの非対称な葉と極小のたくさんの花を見ました。
このたくさんの小花からどのような果実が実るのか興味があり、その後「見沼自然公園」に行く度に見ていました。〈散歩日:10月20日、11月10日、12月8日〉

アキニレ(秋楡)はニレ科ニレ属の落葉高木です。一般的に「ニレ」といえば「ハルニレ」をさすようですが、本種は秋に花をつけるアキニレです。

9月以前には気がつきませんでしたが、アキニレという樹を認識してから、この公園には行く度に「あっ、ココにもあるんだ」と所々にアキニレがあることが分かりました。
樹ごとに黄葉や果実の熟す進み方が若干違いますし、約3ヶ月の経過と共に様々な果実を見ることができました。

1~5.<10月20日> 緑の葉の中に、それよりも薄い緑で径1センチほどのお皿のような果実が枝々に密集していました。葉裏側からみるとよく分かります。
「1」「2」「3」「4」「5」
「アキニレ ~翼果(楡銭)と黄葉(1)」


アキニレの果実は中央に扁平な種子があり、それを円形のカバーで閉じ込めたような翼果です(カエデ等と同じです)。ニレ属の翼果は翼が種子を円く囲み、銭の形に似ていることから「楡銭(ゆせん)」といいます。熟してくると翼は透けるように薄くなります。

6~7.<11月10日> 果実の色が変化し淡褐色に熟してきました。このような変化も初めて知りました。・・・この後、抜歯の影響やらなんやらでしばらく再訪できず、
8~10.<12月8日> 久し振りに行ったら・・・何という事でしょう!果実は枯れっ枯れになっていました。しかも葉は、ほぼ落葉です。(私にとってはいきなりです。)
「6」「7」「8」「9」「10」
「アキニレ ~翼果(楡銭)と黄葉(2)」


11~15.<12月8日> でも1株だけ多くの葉が残っていました。アキニレはキレイな黄葉になっていました。ラッキーです。高木なので見上げながらズームで・・・。(今までで一番長い風待ちをしました)。全景中央がアキニレです。
「11」「12」「13」「14」「15」
「アキニレ ~翼果(楡銭)と黄葉(3)」


16.別のアキニレの高木です。本当にたくさんの果実が残っていました。
きれぎれの風彩 「アキニレ」2-16


アキニレの果実は葉が落ちてもそのまま残り、越年することが多いそうです。
翼果なので風によって飛ばされて散布されますが、強風が吹かないと枝から離れないようになっているそうです。それにより、離れた所への散布を可能にしています。
(ほとんどの翼果が飛ばされ、枝から無くなるのは2月頃のようです。)

あるWebサイトによると、多くの樹では、親木のすぐ下に多量の種子が散布されますが捕食される機会も多く、たとえ発芽しても親木のまわりにある有害な菌によって感染し、枯死することが少なくなく、ほとんどが定着しません。それを避けるため、ニレ属やカエデ科などは種子に翼があるそうです。

一見すると、必要以上にたくさんの翼果があるように見えなくもないのですが、子孫繁栄につながるのはどれほどの確率になるのか???厳しい世界に思えてきます。
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