ヤブカンゾウ ~蕊が弁化した八重咲
ヤブカンゾウ(薮萱草)は、ススキノキ科(ユリ科)ワスレグサ属(キスゲ属)の多年草です。有史以前に中国から渡来したとされ、寺院によく植えられたようですが、今では全国各地に分布し、特に人里近くの道端や土手、田の畔などにごく普通に見られます。(「人里植物」という括りもあるようです)
〔Webで確認した特徴〕
・草丈は60~100センチ。葉は長さ50~80センチ、幅3センチ前後
・花茎の先に、径約8センチの赤橙色の花を数個つける。花期は7~8月
・花は雄しべが弁化し八重咲きになる。三倍体で種子はできない
1.道路の歩道脇で、他の植物に混じって数株が花をつけていました。それほど大きくなく、草丈は50~60センチほどです

2~3.雄しべがほぼ弁化し、キレイな八重の状態に見えました
4.よく見ると弁化した被片の先には葯らしきものが残っています(トリミング)
5~6.こちらは花がけっこう進んだ状態に見えますが、弁化しきれない雄しべが数本ハッキリ確認できます。個体差は様々のようです
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三倍体の説明は難しそうなので省きますが、ヤブカンゾウの場合は果実ができず根茎から横に出る走出枝によって繁殖するようです。ということは、ここのヤブカンゾウは、誰かが根茎を植えたのか、何かで運ばれたのか(何かが運んだのか)したのでしょう。
ヒガンバナと同じで、人の暮らしの周りで繁殖している植物のようです。
(人工的に作った三倍体の例としては「種なしスイカ」があり、四倍体と二倍体を掛け合わせて作ったそうです。)
名前は、葉がカヤ(萱)に似ていることに由来にしており、漢名である「萓草」を音読したものですが、「藪」はヤブのような場所に生育するという記載や、「藪」は「野」よりも人家の近くにある事を表しているという記載もありました。
| 草本(草花・野草) | 22:16 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑
こんにちは
ヤブカンゾウは種ができないのに、当地ではどんどん増えている感じです。一方、ノカンゾウのほうは段々少なくなっているように思えて、やや心配しているところです。
| 多摩NTの住人 | 2016/07/22 08:17 | URL | ≫ EDIT